ヲ┣〆手紙部 #3.63
size:188×128mm
P:320
昭和8年発行の『婦人倶楽部』8月号付録『婦人手紙文全集』です。古っ!
先日、スケジュールの合間をみて、取り壊し決定のとあるお家(「おじいさんのたからもの」という名でエントリーしていた、あの家です)に再び行ってきました。おそらくこれが最後になるかな、と思いつつ。今回もごっそり本をいただいて帰ってきました。その中の一冊。年賀状からお礼、お願いなど、手紙の文例が載っている本です。その文例を書いている中に、川端康成や室生犀星の名を発見!興奮!
その中で、川端康成の「婚約の相手に何を勉強しておくかの相談」という手紙の礼を引用。
御手紙ただ今拝見いたしまして、うれしさの余り泣きそうでございましたけれど、それよりも、とかく浮き立ち勝ちな私の娘心を、しやんとひきしめていただいたやうに存じました。
僕はあなたを必ず幸福にするとは約束出来ない、ただ幸福にしたいと念じるだけだ、さう仰って下さいますのは、お前を幸福にしてやるなどと、自惚れた言葉を聞きますより、どんなにありがたいかわかりません。私のことをほんたうに真面目に考へて下さればこそ、そんな御謙遜をなさるのだと、私ももうなにもかも打ち明けてお縋りしたくなりました。幸福と思ふことが幸福なのだといふやうな、安らかな楽しさを感じます。(以下略)
ボクも素敵な御手紙が書ける人にならう、さう思ひました。
- 2006-07-11 (火) 8:00
- CMYK-mania
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