皆既日食の写真を集めてコロナを観測するプロジェクト「Eclipse Megamovie」
8月22日、アメリカ本土を横断するようなルートで皆既日食や部分日食が観測されました。この時各地で撮影された皆既日食の写真を集めるプロジェクトを、Googleとバークレー大学が共同で行っています。
月の位置が完全に太陽と重なった時に起きる皆既食。
各自転、公転のかねあいから、場所により観測できる時間にずれが生じます。今回の場合、西海岸のオレゴン州では朝の10時台に観測されるのに対し、東海岸のコロンビア州では午後2時台にようやく観測できるのです。このスピードで日食の見える帯部分を移動していけば、常に皆既食が見えているわけですがそれもできません。
しかし各地で観測している人はいるわけで、撮影された写真も膨大な数があることが予想できます。それを繋ぎ合わせれば、数時間分の太陽の変化が観測できるはずなのです。
▲現在時点で集まった画像をもとに作られた映像。
これで何をするかというと、コロナの観測をするのです。
コロナとは、太陽の外側に存在する超高温のガス層のこと。普段は太陽本体の光に打ち消されて観測しづらいのですが、皆既食で太陽が隠れた状態になると、光るコロナが写真に写るのです。各地から多くの写真が集まることで、コロナの動きの解明が期待されるのですね。
▲サイトでは、各地名を入れると日食がどう見えるかのシミュレーターもある。
ちなみに日本での次の皆既日食は2035年9月2日。富山から長野、宇都宮、水戸にかけてのルートで、天気さえよければ観測できるはずです。
→Eclipse Megamovie
https://eclipsemega.movie/