私たちの間にあるものは、私たちをつなぐもの。父と娘の半生を描いたWindexのCM「The Story of Lucy」
彼は船乗りだった。
船の上で一報を聞き病院へ向かうと、新しい命が生まれていた。彼の娘が誕生したのだ。
娘はルーシーと名付けられ、彼と彼の妻によって大切に育てられた。
ルーシーが物心をつくと、時々何日もいなくなる父親との別れが辛くなった。父のいない家は寂しかった。
そんなルーシーに、彼は望遠鏡をプレゼントした。見えることのない遠くの父を、望遠鏡で探す娘。
思春期になったルーシーは、あれこれ言ってくる父が疎ましい。そんな時期は誰にでもある。疎ましいけど、嫌いではない。だから父とルーシーの距離はまたもとに戻っていく。
大学を卒業する頃になるとルーシーには彼氏もできた。
そして独り立ちして両親のもとを離れる時がきた。
父からもらった望遠鏡の影響からだろう、天文台で働くようになったルーシーは、ついに彼と結婚することになる。
彼は船の上にいた。
娘からのテレビ電話に慌てて船を降り、妻とともに病院に向かった。
そこにはまた、新しい命が生まれていた。
そんなCM。
なんのCMかというと、ガラスクリーナーのCM。
知らないで見ても、最後の最後までガラスクリーナーのCMだなんてわからない。
でもよくよく見直してみると、最初から最後までたくさん登場しているのだ。窓ガラス、車のガラス、レンズ、鏡、ガラスのテーブルなどなど。商品が映るのは最初と最後の病院のシーンだけ(だと思う)。しかもこっそりと。だからこそ良い。
そしてこのCMをストーリー以外で盛り上げてくれてくれているのはGrace VanderWaalさんによる「Beautiful Thing」のBGMだ。アメリカのオーディション番組「America's Got Talent」で突如現れて優勝したハスキーボイスが魅力のウクレレ少女で、ボクもその頃からチェックしている歌姫なのでこの起用はちょいと嬉しい。
今回使われた曲「Beautiful Thing」は、ファーストEPの「Perfectly Imperfect」に収録されているので、ぜひ。
▲Grace VanderWaal - Beautiful Thing (Lyric)
しかし彼女のハスキーボイスとこのストーリーは、年を取るとちょっと涙腺にきますね。
こういう長尺CMが8月に見られるとは思わなかった(年末ならよくあるから)。
- 2017-08-17 (木) 7:36
- TV・CM