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歯を磨く女性と、荒野を歩く少女。コルゲートによるメッセージCM「Sink Child」

Sink Child

上下に二分割された映像のCMです。
上の映像は女性が歯を磨いていて、下の映像では少女が荒野を歩いている。関係なさそうな二つの映像が、ラストにはあるメッセージを生む。

歯磨きをしている女性は、ブラシで歯を擦る間ずっと水を出しっぱなしにしていた。
荒野を歩く少女は、生きるために遠くまで水を汲みにいく途中だった。

少女がたらいを頭に載せる時、上の映像の洗面台がたらいに重なる。出しっぱなしの水が少女のたらいに溜まるように。

「2分間出しっぱなしにした水の量で、彼女は2日間生きられます。歯磨き中は水を止めよう。」

わかりやすいメッセージCMです。
しかし、こういうメッセージで少女は救えるでしょうか。
2分間止めた水が、もしくはその分のお金が、少女に届くわけでもありませんし、井戸を掘る基金に回されるわけでもありません。これを機に節約した水道代を募金にまわしてくれる人がいればありがたいですが、そういう人も多くはないでしょう。もちろん節水は大切なことですし、それは間違いはないと思います。ただ、同じ水というだけで別の問題を持ち出すのはいかがかと思うので、だったらもっとストレートに「1日2分歯磨き中の水を止めるだけで、○○円分得します。その分を彼女のために寄付しませんか？」なんて言ってくれる方がすっと落ちるものがある気がするのです。