ストリートビューを使ってアルツハイマー病の改善を目指す研究「Anne-Christine & Google Maps: BikeAround」
スウェーデンに住むBengt Ivarssonさんは82歳。3人の子どもに恵まれ、現在は妻のLailaさんと暮らしている。
彼は、アルツハイマー病を患っている。
アルツハイマー病のため、彼は記憶を失いかけている。
妻との結婚式のことも、もう忘れてしまった。ターキーをサーブした、あの結婚式のことも。
アン-クリスティン・ハーツさんは、Googleストリートビューを使って、アルツハイマー病の改善を目指す研究を行っている。エアロバイクのようなものを患者が漕ぐと、眼前にストリートビューが映し出されるのだ。ペダルを漕ぐ度に景色は進んでいく。この装置で患者さんにとって懐かしい景色をバーチャルサイクリングしてもらうことで、身体的刺激と精神的刺激を脳に与え、ドーパミンの生成を促そうというのだ。
この日、Bengtさんは初めてこの装置を使うために妻とやってきた。
ゆっくりとペダルを漕ぐBengtさん。
彼がストリートビューで着いたところは、59年前にLailaさんと初めて会った場所。その時友人と話していたBengtさんは通りかかったLailaさんを見て「あの子と結婚する!」と言ったんだとか。その半年後、二人は婚約を交わした。
その時の気持ちを思い出した?
あぁ、彼女がとても綺麗だったからね。
そう言うBengtさんを見て、Lailaさんも嬉しそう。
「一緒にいられるだけでも幸せだけど、もっと前を向いていくわ。人生はまだ続くんだから。」とはLailaさんの言葉。
この装置でストリートビューでアルツハイマー病が完治するわけではありません。しかし、過去を呼び起こす刺激の一つとしての成功事例は、進行抑制という意味でも非常に大きいだろう。
→Google ストリートビューを活用して、認知症患者の記憶障害の回復に挑む研究 | Google
https://www.google.com/about/stories/bike-around/
- 2017-10-05 (木) 8:32
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