2017年に発行されるノルウェー新紙幣デザインと、没になったデザイン
以前に『2015年に発行されるスウェーデン新紙幣デザインと、没になったデザイン』というエントリーをしたことがありますが、今回はノルウェーです。
2017年からノルウェーの紙幣が変わります。どこの国でもそうですが、偽造が困難な紙幣に替えていくというのも理由の一つです。今回、ノルウェーの新紙幣は、「海」を大きなテーマとして募集され8つの案が最終候補に残りました。使われる紙幣あらば没デザインもあり。没になったデザイン含め8種類をご紹介しましょう。
と、その前にもう少し前情報を。
ノルウェーの通貨はノルウェー・クローネです。ユーロには参加していません。
今回の大テーマ「海」のもと、各紙幣ごとのテーマも決められています。
50クローネ:私たちを一緒に結びつける海
100クローネ:世界に私たちを連れていく海
200クローネ:私たちに食べ物を与えてくれる海
500クローネ:私たちに幸福を与えてくれる海
1000クローネ:さらに遠くへ私たちを連れていく海
これをふまえて見ていきましょう。
(下の画像はどれも紙幣の横幅を揃えて並べています。実際は紙幣ごとに大きさが異なります。)
LANDET MED DEN LANGE KYSTEN(長い海岸の土地)
design by ASLAK GURHOLT RØNSEN
魚、灯台、船、スクリューと海に関するモチーフが描かれています。しかし特筆すべきは、裏に同じモチーフを子どもが描いたようなイラストがデザインされていること。実現したらすごい。
UTVIDET HORISONT(広がる水平線)
design by BLÆST DESIGN
こちらも灯台やら魚や船が描かれています。よく見ると、表(左)の勲章のようなオブジェクトがそれらのモチーフで出来ています。
UMONUMENTALE HISTORIER(記念碑的物語 かな?)
design by CHRISTIAN MESSEL OG PATI PASSERO
こちらのデザインはモチーフが写真をトレースしたようなラインが印象的です。500クローネは捕鯨です。紙幣っぽくはないかなぁ。
OPPHAV(コピーライト)
design by ELLEN KARIN MÆHLUM
表(左)はプランクトン、裏(右)は人工的な部品。裏のバックにはノルウェーの地図が描かれています。
RINGVIRKNINGER(波及効果)
design by ENZO FINGER
やっぱりノルウェーでもあった、縦型デザイン。海の近くに住む鳥が大きく描かれています。
DA VA RUSKJE Å LEGGJA UTPÅ, MEN DEN LEIKEN VILLE DEI SJÅ
design by MAY ELIN EIKAAS BJERCK
デザイン名がよくわかりませんでしたが、深い色合いで風景を中心に描かれています。
GRENSENES SKJØNNHET(美しさの分岐点)
design by SNØHETTA DESIGN
これは冒険していますね、ビット感あふれる表(左)のデザインと、モノクロ写真を使ったような裏(右)デザイン。50クローネなんて足だよ。
DET NORSKE LIVSROMMET(ノルウェーの生命の部屋)
design by THE METRIC SYSTEM OG TERJE TØNNESSEN
最後は、海に関するモチーフを大きめに取り入れた表(左)と、風景を取り入れた裏(右)のデザイン案。5種のカラートーンも一番しっくりくるかも。
で。で、ですよ、決まったのがこちら。
え!
まさかの?
その、まさかの、です。
表と裏を別々のデザイン案から採用しています。
決め方も画期的ですね。
こういう紙幣デザインのプロポーザルは日本では行われないでしょうね・・・。
- 2014-10-10 (金) 8:37
- Mawari-Design