Etsyによる、刀鍛冶・渡辺惟平(わたなべこれひら)さんへのインタビュー動画「Handmade Portraits: The Sword Maker」
主にハンドメイドの商品の販売サイト「Etsy」が、北海道伊達市で刀鍛冶をされている渡辺惟平(わたなべこれひら)さんへのインタビューを行っていましたのでご紹介。渡辺さんの刀と伝統文化に対する思いに迫っています。
一部聞きとれなかった部分がありましたが、文字起ししてみました。
現在、刀だけで生計を立てていける方というのは、私を含めてだいたい30名くらいと言われています。若い頃は、刀が好きで作っていました。歳を重ねるごとに、やはり日本人の美意識なり○○なり(聞き取れなかった)、日本人の本質というものを次の世代に刀を通して伝えていこうと、今思っています。
大学の頃でしたか、ある雑誌に今の私の師匠である宮入昭平(みやいりあきひら)の写真集が載っていまして、まだ刀を作っている方が日本にいるということがわかりまして、そこで初めて刀鍛冶になろうと思って決心しました。
家族は反対しましたね。刀で生計が成り立つとは到底考えられないので、刀鍛冶になるんだったら家出てけと言われましたね。
平安鎌倉時代の刀、所謂古刀と言うものは、作り方も製法、技術的なものもほとんど残されていません。再現というものは限りなく不可能です。不可能ですけれども、そこに私を感動させるものがありますので、そこを目指して40年やりつづけてきて、やっとここ5、6年に古作に一歩か二歩近づけるような作品が出来てきました。
伝統工芸にたずさわっている人間は、どうしても自分の技術を伝えておこうという場合に、時代に迎合する方向にはしっていきます。そうすることによって我々の持っている技術が少しずつ本質を外れていくんです。ですけれども、本質を外してまで伝統文化を次の世界に伝えていくということは、意味のないことだと思います。
弟子には、いつか私を超えてほしいと思っています。私より優れた弟子を育てることが私の役目であり、そうでなければ文化というものは風化してしまうのです。
私が師匠から受け継いだのは技術だけではありません。師匠の刀に対する思いを受け継ぎました。私も弟子には私の刀の思いを伝えていきたいと思いますし、弟子も自分の刀に対する思いを次の世代に伝えていくものと思っています。
渡辺さんは伊達市にある黎明観の刀鍛冶工房で現在も刀を造っておられ、その模様は見学もできるそうですよ。
→黎明観 刀鍛冶工房
http://www.date-kankou.jp/shiseki_bunka/katanakoubou.htm
- 2011-11-21 (月) 8:02
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