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世界で初めて自動車で長距離旅行を行った人物を描いたショートフィルム「Bertha Benz: The Journey That Changed Everything」

Bertha Benz The Journey That Changed Everything

この日、人々は魔女を見た。

見たこともないような乗り物に乗った魔女が現れた。
村には緊張が走る。

その乗り物が村に入ろうとした時、突如白煙を上げて止まってしまう。
恐る恐る集まりだす村人たち。

降りてきた女性は薬局を探し、そこでベンジンを探した。
なんとかベンジンを確保し、それを乗り物に入れていく女性。
村人が見守る中、その乗り物は再び動き出し、女性は去っていった。

この女性はドイツの技術者カール・ベンツの妻、ベルタ・ベンツだ。
カール・ベンツは実用的なガソリン自動車を作った人物であり、ベンツの名前でわかるとおり今のメルセデス・ベンツの創始者のひとりだ。
そしてベルタ・ベンツは、当時実用化されたばかりの自動車に乗り、106km離れた両親の元へとでかけた。1888年のことだ。これが世界初の自動車での長距離旅行とされ、12時間もかかったという。さらにこの動画にもあるように途中で止まってしまい、燃料を補給したという話が残っている。
自動車を見たことのない人たちばかりの時代、自動車に乗る彼女の姿は魔女だと思われても不思議ではない。

でも、彼女は彼女自身を信じた。
だからトラブルがあっても乗り越えることができたのだろう。