国民的ヒーローがサインを入れた捨てられない広告。シボレーブラジルのCL向上戦略。
自動車のカタログをもらっても(それがちょっと豪華な写真集みたいなものであっても)、いずれきっと捨てちゃう。多くの人にとって、広告やカタログなんてものは、購買を考えた時に手にするくらいなもので、わざわざ買った本のように本棚に並べておくものではないのではないでしょうか。(ボクのような人は別ですがw)
今回ご紹介するのはシボレーブラジルの戦略。
それは新規顧客ではなく既存顧客、中でも常連客のCL(カスタマーロイヤリティー)を高めるための施策です。
ここに出てくるおじさんは、ブラジルでは知らない人はいないくらいの有名人。日本でもF1好きの人ならご存知の、エマーソン・フィッティパルディ。
彼は1970年代にF1で2度のワールドチャンピオンに輝き、F1引退後もカートに参戦しインディ500でこれまた2度も優勝するなど素晴らしい成績をおさめたトップレーサーです。
なぜ彼か。
シボレーのオメガ(OMEGA)という車に、彼の名前を付けたOmega Fittipaldiというモデルあるからっぽいです。
そんなわけで、彼がサインをしているのはシボレーの自動車写真集(Autogpaph)。薄さから、日本車のカタログ程度のものかと思います。これを、VIPな顧客2000人にだけ送るのです。カタログにはそれぞれの顧客の名前入りでエマーソン・フィッティパルディからのサインが書かれ、さらに http://www.chevrolet.com.br/fittipaldi/#0000 ←顧客ごとの数字 が書かれています。
この時点でこれを捨てようとは思わないですよね。少なくともVIPな顧客ということで車好きな人たちばかりでしょうから。野球が好きな人のもとに、ミズノからイチローによるその人の名前宛てのサイン入りパンフレットが届いたらどうします?捨てないでしょ?
話を戻して、さきほどのURLにアクセスするとどうなるか。
http://www.chevrolet.com.br/fittipaldi/index.shtml
こんな画面が出ます。
そこに指定された番号を入れると。
http://www.chevrolet.com.br/fittipaldi/index.shtml
その人宛てにサインを書いているエマーソン・フィッティパルディの姿が。この動画はダウンロードもできるようになっているので、顧客としては一緒に残しておけるというもの。
ここまでされたら、またここで車が買いたくなって・・・くるかしら。
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