人の命を差別しないことも学べる救急救命の講習。BNPパリバ銀行による「First Aid for Humanity」
心肺蘇生法を学ぶ救急救命の講習を受けた人は、たいてい人形を使った実技も学んでいるかと思います。
表情もない、人形らしい人形を使った練習です。
BNPパリバ銀行が行った講習で使われたのは、リアルな人の顔をした人形でした。
講習を受けるために集まった人たちは、用意された人形に少し驚いた。
街にいそうな人の顔をしていたから。
さらに身なりも合わせてよく見ると、どうやらイスラム系の人だったり、ジェンダークィアな人っぽかったり。
なぜこの人形なのだろうと疑問は浮かぶものの、そのまま講習は進んでいき、みんな真面目に講習を受けていきました。
講習の後、参加者は別室に通されました。
そこにやってきたのはあの人形とそっくりの人。
人形ではなく、動いているホンモノの人。
さらに、参加者はありがとうと声をかけられ驚くのです。
私の命を救ってくれてありがとう、と。
練習のつもりだったけど、人形のその先には生きている人がいた。
実際に街で同じようなことが起きても、相手がどんな人でもたすけるべきだと。
この講習では、参加者は気づされたことでしょう。
それまで移民やジェンダークィアの人などにたいして、少なからず差別の心を持ってしまっていたことを。
つまりこの講習は、参加者の心の中の差別に向き合わせ、人と人との溝を埋めることが目的だったのでしょう。
特に今、ヨーロッパが抱える問題ですから、非常に大切なことなのだと思うのです。
- 2022-04-18 (月) 7:30
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