アメリカ最大の墓地の島に眠る死者の情報を集めるプロジェクト「HartIslandProject」
ニューヨークにアメリカ最大の墓地だけの島があることは、ニューヨーカーの中でも知らない人が少なくない。
その島の名前は「ハートアイランド」。
▲Google Mapで見るとこの場所にある。ニューヨーク州の北東に位置する、長さ約1.6km、幅約0.4kmの細長い島だ。この島のほとんどの場所に、南北戦争以来の死者が眠っている。その数は100万人を超えるとも言われる。
かつては精神病院や軍施設もあったようだが、一般的には立ち入りが制限されており、昨年からようやく一部の人に調査などでの訪問が許可されている。
制限されたら遺族がお墓参りできないのでは、という疑問には明確な答えで解決できる。そのお墓に眠る人たちが、たとえば身元不明の浮浪者だったり、死産された赤ちゃんだったり、つまりはお墓参りに来る人がそもそもいない人たちなのだ。
この島には墓石ではなくいたるところに白い杭が刺さっている。
その下に、150人が集団埋葬されているそうだ。
そこそこ広い島とはいえ、100万人もの人が埋葬されているわけだから、そうするしかないのかもしれない(しかも土葬なんだろうな)。
「HartIslandProject」のイントロの映像にもあるように、囚人によって掘られた穴に棺が埋葬されていく。
▲「HartIslandProject」では1980年以降に埋葬された63812人のデータベースを作り、彼らの情報を求めている。
▲スクロールしていくと、死者の名前が表示されていく。クリックするとその人の情報を見ることができる。
▲Leo McKennaさんは1991年12月28日に60才で亡くなっている。埋葬されたのは翌月。埋葬されている場所もわかるようになっている。
▲彼が埋葬されてから彼に関する情報が無く、23年232日が経過した。今もその数字は増え続ける。彼のことを知っている人がいれば、「Add Story」から彼についての情報(写真や動画も可)を登録できるようになっている。
▲これが島の南端。インタラクティブマップになっていて、黄色い数字をクリックすると、その場所に埋葬されている人のリストがずらずらと表示される。その人たちがみんなそこに眠っているのだ。
この他に、名前などから検索することも可能。
行方不明になってしまった知人などを、悲しいけれどここで探すこともできるというわけだ。
→HartIslandProject
https://www.hartisland.net/
- 2015-10-25 (日) 13:19
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